Facetune_03-04-2019-01-58-35



ある日、おばちゃん二人がカウンターにやって来て、
そのうちの一人が言うた。

「この美容液、友達がとっても良いって言ってたの」

「はい、これ良いですよー」

「じゃあ、サンプルちょうだい」

「これ、サンプルないんです。
でもテスターならありますから
今、試してみてください」

「私は実際に使いたいのよ!」

「でも、サンプルないんです」

「じゃあ、作れば良いじゃない!」

ほんま、アメリカのデパートは
返品システムと、サンプルシステム?
この二つどうにかせんかったら
化粧品売り場、終わるで。

化粧品売り場に来る半分の人は、
何も買わずにサンプルをねだっていくか、
買い物してギフトやサンプルをもらい、
商品だけ返品する。


話を戻そう。

強気でうるさそうなオバハンだったので
しょうがないから、サンプルを作る。

「こんな、たった少しで何がわかるって言うのよっ!」

オバハンが切れた。

ただでもろたもんにまで、ケチつけてきよる。

私はこの手のオバハンのターゲットになりやすい。

大人しそうなアジア人や
場慣れしてなさそうな、学校出たての若い子が
ターゲットになるのだ。

大人しそうなアジア人に見えるかもしれんけど、
私かってオバハンの端くれやで。

アメリカのオバハン vs, 大阪のオバハン

大阪のオバハンなめたらあかんで。


「この美容液、一瓶にたったの0.5オンス(15ml以下)しか入ってないんです。
あなたが欲しいだけあげたら、テスターが空になってしまうんです。
この美容液、百二十ドルするんです」

「そんだけのお金払うから、買う前に試したいんやないのっ!」

「あなたが欲しいだけあげたら、
あなたに百二十ドルあげるのと同じことになります。
サンプルは基本、肌に合うかどうかを見るためのものです。
効き目は商品を購入して、それから見てください」

「マネージャーと話したいわっ!」

「わかりました」

なんか、勘違いしてはる。

マネージャー呼ぶ言うたら、私がびびると思ってるらしい。

ふん

にっこり笑って、オバハンに言うた。

「マネージャーなら、なんとかしてくれると思いますよー
私はしませんけどー」


そのままマネージャーに丸投げした。


間違ってると思うことは、やらんと決めてるから、
(あくまで私の主観で)

百二十ドルの美容液、脅かされたくらいで
丸ごと客にあげるかい。

そら、私のもんやないから、損するわけやないけど、
そんなことがまかり通るのは、おかしいやろ。

で、やっぱりマネージャーも断った。

それでもオバハンが激昂したので、
しょうがなしに、もう少し多めにサンプルを作ったようだ。

まあね、マネージャーは私より失うものあるからね。

私?

客に媚び売っても
上司に媚び売っても、
ここはアメリカ。

クビになる時はクビになる。


そんなもん怖がりながら、働いてられるかいな。




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